★濁りえの にごりに 魚はひそむとも★

 

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★★★

 12月14日といえば

 大石内蔵助 率いる 赤穂の四十七士が

 主君の恨みを晴らさんと

 討ち入りを断行した日ですね。

 

 

★★★

 その大石に、こんなことがあったそうですよ。

 『光に向かって123のこころのタネ』 (高森顕徹先生著)

 から紹介したいと思います。 (*^_^*)

 

 

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 内蔵助の不覚

 

 

 あの大石内蔵助にも、こんな不覚があったという。

 

 仇討を恐れて吉良方では

 十重二十重に守りをかためているので、

 大石は相手を欺くために日々廓(くるわ)遊びに耽った。

 

 大石を深く信じていた人たちも、度のすぎる遊蕩三昧に あきれる。

 

 「一体、大石はどうしたのじゃ」

 「酒と女に腰が抜けては、仇討は無理じゃろ」

 「人はあてにならんものじゃお」

 「いや、大石の本心は変わっていない」

 かねてから大石内蔵助に好意を持っていた者たちまでもが、

 種々に沙汰するほどだった。

 

 その中の一人の賢い男が、

 “それとなく大石の本心を試してみよう”

 と一本の掛軸を持って、山科へ出かけて行く。

 

 

 内蔵助がいつも通る、道端の茶店の親爺に、

 

 「相変わらず大石殿は、ここをお通りになるかな」

 と尋ねると、

 「お武家さま、あんな者に大石殿と殿などいりません」

  大石か軽石か漬物石か知りませんが、

  まことに情けない男です」

 と、大変な軽蔑ぶり。

 

 「まあまあ、そう言うな。

  実はお前に頼みがあるんじゃが」

 

 「はい。私にできることならなんなりと………」

 

 「それでは大石殿がここを通られたら、

  この軸に賛を頼んでもらいたいのじゃ」

 

 「へえ!サンですか。

  たしか大石は男だったと思いますが、男にお産させるんですか」

 

 「いやいや、サンというのは

  軸の絵に合った字を書いて貰うことなのじゃ」

 

 「へえ!サンとは字を書いて貰うことですか」

 

 「それでなぁ、首尾よく大石殿に書いて貰えたら、

  おまえに 二十両の褒美を遣わす」

 

 「へえ!二十両も……」

 

 

 それまで内蔵助が来るとシオをまいていた男が、

 それからは、まだかまだかと待つようになった。

 

 そこへ何時ものように、フラフラに酔った大石が、

 女たちに支えられながらやって来る。

 

 今までとガラリと態度を変えた茶店の親爺が、慇懃に、

 「大石さま、いつもご気嫌うるわしゅうございます。

  つきましては私、京でこんな軸を求めて参りましたが、

  ぜひ、大石さまに賛をお願いしたいのですが……」。

 

 深く頭を下げてたのむと、快く承諾した大石は

 女たちを外に待たせて、

 独り奥の間に入っていく。

 

 ピシャリと襖を閉めると

 同時にシャンとなった大石は、

 しばらく軸の絵をジッと見つめる。

 そこには、濁った池に身を潜めている魚を、

 狙っているカワセミが描かれていた。

 カワセミは魚を捕る名手である。

 

 やがてサラサラと書き終えて出てきた内蔵助は、

 また ぐでんぐでんに酔ったふりをしていたという。

 

 

 墨痕(ぼっこん) 鮮やかに軸には、こう記されていた。

 

 

 “濁りえの にごりに 魚はひそむとも

 

     など かわせみの とらでおくべき”

 

 にごりえに潜む魚を吉良上野介にみたて

 狙うカワセミを己に引き当てての大石内蔵助の決意であった。 

 

 帰宅した内蔵助が、ついつい本音を漏らしたことに気がつき、

 こう叫んだという。

 

 「大石一生の不覚じゃ、だれか あの軸を 五十両でも百両でもよい。

  早く買い求めてくるのだ」

 すぐに家来が飛んだが後の祭り。

 すでに掛け軸は人手に渡っていた。

 

 もし吉良側の手に渡っていたら、

 あの仇討ちは成功していたかどうかとさえ 言われている。

 

 

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この記事は親鸞会講師の朋ちゃんのつぶやきのカテゴリーのもと、親鸞会の朋ちゃんが、 2009, 12月 14th, 月曜日 の 11:50 PM に投稿しました。 朋ちゃんの投稿は、 RSS 2.0 フィードによって、リアルタイムで知ることができます。 あなたも朋ちゃんにコメントトラックバック をしよう!

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